今日の読売新聞では、憲法改正に関する
世論調査の結果を掲載していた。
その中でいくつか気になった点を紹介する。
まず憲法改正の議論に関心があるかどうかという設問では、
「大いに関心がある」16%
「多少は関心がある」50%
「あまり関心がない」28%
「全く関心がない」5%
程度の差はあれ「関心がある」という人は66%。
ワイドショーではモリカケやセクハラの問題が取り沙汰されていて、
憲法の話題は忘れ去られちゃったのかな、と思っていたけど、
この数字を見る限りでは半数以上の人が関心を持っている。
単純に「今の憲法を改正すべきかどうか」を聞いた設問では、
「改正する方がよい」51%
「改正しない方がよい」46%
と、現時点ではほぼ真っ二つに分かれている感じ。
面白いのは、内閣の支持・不支持や
安倍首相に対する好悪の感情が、
憲法改正の賛否に影響を及ぼしていることだ。
たとえば内閣支持層では、改正賛成が64%(反対33%)。
不支持層では賛成が42%(反対が55%)で賛否逆転。
また安倍首相に対する気持ちを数値化してもらった上で
出した結果では、
「親安倍」層では改正賛成が66%(反対32%)なのに対し、
「反安倍」層では賛成43%(反対55%)とこちらも賛否が逆転。
安倍首相だから賛成(あるいは反対)という人は多いのだろう。
石破議員や岸田議員など「ポスト安倍」といわれる政治家では、
これほどの差は生じなかったようだ。
さらに気になったのは、改正の賛否に応じてその理由を問う設問。
いくつか選択肢があるのだけど、改正賛成派が選んだ理由のトップは
「時代の変化に憲法の解釈や運用だけで対応すると混乱するから」63%
だった。二番目に高い割合を示しているのが、
「国の自衛権を明記し、自衛隊の存在を明文化するため」43%
うん? ちょっとひっかかる。
いまの自民党案は「自衛権を明記」しているか?
明記しようとしているのは「自衛隊」だ。
自民党案では、9条2項のあとに「9条の2」を加え、
「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の
安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず」と
記している。
「必要な自衛の措置をとることを妨げず」というのは
いくらでも恣意的な解釈ができてしまう。
これは自衛権の明記といえるのだろうか?
それとも設問は自民党案を念頭に置いていないのか。
いずれにしても誤解を招くと思う。
改正反対の人の理由はさらに驚愕。
以下、トップ3だ。
「世界に誇る平和憲法だから」54%
「改正すると軍事大国への道を開くおそれがあるから」48%
「時代の変化に応じて、解釈、運用に幅を持たせればよいから」40%
おそらく改正反対の人々は、「反安倍」層でもあるだろう。
ならば、安倍内閣がこれまでやってきたことを、
そのまなこをよーーーーく開いて御覧なされよ。
いま、あなた方が守りたいと思っている日本国憲法は、
世界が誇る平和憲法なのに、あなた方の望む通り、
安倍さんが時代の変化に応じて解釈を変えてくれましたよ。
そしてアメリカにくっついて戦争できる国になりましたよ。
軍事大国への道を開こうとしているのは、いったい誰?
立憲的改憲という考え方は、まだまだ浸透していないのだろう。
「反安倍」「改正反対」の人こそ石頭なのかもしれない。
世界に誇る? 改正したら軍事大国?
本当にそう思い込んでいるのなら、すでに信仰だ。